「不動産投資に興味はあるけれど、種類が多すぎて何から調べればいいか分からない」
そんな人は、いきなり売り物件を検索する前に、自分がどの不動産投資に向いているかを整理してみてください。
戸建て、木造アパート、RCマンション、区分マンションでは、必要な資金も手間も違います。駐車場やレンタルスペースは住宅賃貸とは別の商売ですし、クラウドファンディングやJ-REITは、そもそも自分で不動産を経営する方法ではありません。
私の基本的な考えは、次のとおりです。
- 自己資金が少なめなら、まず戸建て賃貸を検討
- 自己資金と融資余力が中程度なら、木造一棟アパート
- 十分な資金力と経営体力があるなら、RC一棟マンション
- 区分ワンルームは、始めやすさだけで選ばない
- クラウドファンディングやJ-REITは、不動産への別の関わり方
これは誰にでも当てはまる正解ではありません。ただ、家賃収入を一つずつ増やし、将来一棟物件へ進むことを考えるなら、分かりやすい道筋です。
まだ「何を買うか」以前に目的が固まっていない人は、先に初めての不動産投資で大切なのは「何を買うか」より「なぜ買うか」を読んでみてください。目的が決まると、必要な物件規模と持ち方を絞りやすくなります。
※この記事は一般的な考え方をまとめたもので、特定の物件購入や利益を保証するものではありません。記載する自己資金は購入価格ではなく、頭金・諸費用・当初修繕費などを含めて考えるための大まかな目安です。物件、地域、融資条件によって大きく変わります。
最初に整理:RCと鉄筋は別の投資方法ではない
よく「RC、鉄筋、木造、戸建て、マンション」と並べられますが、ここには建物の構造と所有方法が混ざっています。
- 木造・鉄骨造・RC造:建物の構造
- 戸建て・アパート・マンション:建物の形や用途
- 一棟・区分:どこまで所有するか
RCは「Reinforced Concrete」の略で、鉄筋コンクリート造のことです。したがって「RC」と「鉄筋コンクリート」は基本的に同じ意味です。
同じRCでも、マンション一棟を所有する方法と、一室だけを所有する区分マンションでは、資金規模も経営の自由度もまったく違います。この記事では、読者が選びやすいように投資方法・事業モデル別に比較します。
先に結論:不動産投資12種類の比較表

| 種類 | 自己資金の大まかな準備額 | 手間 | 選ばれやすい場所 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 中古戸建て賃貸 | 100万〜500万円以上 | 多め | 郊外・地方都市・ファミリー需要のある地域 | 少額から経験を積みたい |
| 木造一棟アパート | 500万〜2,000万円以上 | 中〜多 | 駅・大学・工場・病院周辺など | 家賃収入を複数戸へ広げたい |
| RC一棟マンション | 2,000万円以上になることも多い | 中〜多 | 都市部・人口集積地 | 資金力と融資余力がある |
| 区分ワンルーム | 100万〜500万円以上 | 少なめ | 大都市の駅近 | 手間を減らしたいが、数字を厳しく見られる |
| 区分ファミリー | 300万〜1,000万円以上 | 少〜中 | 学区・生活利便性のよい住宅地 | 賃貸と実需売却の両方を考えたい |
| 駐車場 | 土地保有なら数十万円〜 | 中 | 駅・住宅地・病院・商業施設周辺 | 土地を持っている、転用性を残したい |
| トランクルーム | 数百万円〜 | 中 | 住宅密集地・幹線道路沿い | 住居以外の需要を開拓したい |
| レンタルスペース | 50万〜300万円以上 | 多い | 駅近・繁華街・オフィス街 | 集客と運営を自分で改善したい |
| 民泊 | 数百万円以上 | とても多い | 観光地・都市部 | 宿泊業として運営できる |
| 店舗・事務所 | 数百万円〜 | 多い | 駅前・商業地・オフィス街 | 事業用賃貸のリスクを理解できる |
| 不動産クラウドファンディング | 1万円程度からの商品もある | 少ない | 自分で場所を選ばない商品も多い | 少額で不動産案件に参加したい |
| J-REIT・不動産ETF | 数千円〜数万円程度から | 少ない | 証券市場を通じて分散 | 流動性と手軽さを重視したい |
自己資金の数字は、あくまで入口を比較するための幅です。たとえば「100万円あれば戸建てを買える」という意味ではありません。物件代金のほか、仲介手数料、登記、税金、火災保険、融資費用、リフォーム、空室中の維持費がかかります。購入価格ではなく手元に残るお金で比べる方法は、利回り・ROI・キャッシュフローで「本当に残るお金」を見るで詳しく解説しています。
火災保険も、不動産会社から提案された内容へそのまま加入するのではなく、補償と保険料を比較します。火災保険の見直しと地震保険の必要性も購入前に確認しておきたいポイントです。
私が物件種別より先に見る4つの条件

ここからは、私の独断と偏見も入ります。ただ、物件の構造や表面利回りより、長く持ち続けられるかを考えるうえで外せない条件です。
数字による立地判断を深掘りしたい人は、担保評価・賃貸需要・物件戦略で「買っていい物件」を見極めるも参考にしてください。
1. 人口流入は「県」と「市区町村」の両方を見る
私は物件を選ぶとき、人口が流入している県か、さらにその市区町村へ人が入っているかを重視します。
県全体が転入超過でも、すべての市町村に人が増えているとは限りません。県庁所在地や主要駅の周辺だけに人が集まり、離れた自治体では転出が続いていることもあります。反対に、県全体では人口が減っていても、一部の市や駅周辺だけは住宅開発や企業進出で人が流入しているケースがあります。
確認するのは、総人口だけではありません。
- 転入者数と転出者数の差
- 1年だけでなく、3〜5年程度の傾向
- 20〜40代や子育て世帯が入っているか
- 世帯数が増えているか
- 新築住宅、学校、企業、商業施設など一時的な要因ではないか
総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告では、都道府県別だけでなく市区町村別の転入・転出を確認できます。
ただし、人口流入だけで買うのも危険です。人口が増える人気エリアは物件価格も高く、供給過剰なら空室になります。人口流入、家賃、競合物件、購入価格をセットで見ます。
2. 今なら大都市へ通えるベッドタウンを狙いたい
私なら今は、中心都市そのものだけでなく、通勤・通学できるベッドタウンを比較します。
都心より家賃や物件価格を抑えやすく、駅周辺にスーパー、病院、学校などがそろう地域なら、単身者とファミリーの両方から需要を見込めることがあります。特に、快速停車駅、始発駅、複数路線が使える駅、再開発が進む駅は確認したいポイントです。
一方で「有名なベッドタウン」という名前だけでは選びません。
- 主要駅までの実際の所要時間と乗換回数
- 終電、混雑、バス便への依存
- 駅から物件までの坂道や夜道
- スーパー、病院、学校、保育施設
- 同じ間取りの供給量と空室
- 将来の路線維持や再開発計画
テレワークが広がっても、交通利便性は賃貸募集と売却の両方で説明しやすい条件です。中心都市の高額物件を無理に買うより、生活しやすく、都市へも出やすいベッドタウンのほうが無難だと考えています。
3. 特に一棟物件は駅近を優先する
戸建てなら車移動が中心の地域も成立しますが、一棟アパートや一棟マンションは投資額と戸数が大きいため、私は駅近を優先します。
駅に近ければ必ず埋まるわけではありません。それでも、通勤・通学の対象者が広がり、入居募集で説明しやすく、売却時にも次の買い手が判断しやすくなります。
見るのは広告上の徒歩分数だけではなく、実際に駅から歩きます。踏切、急な坂、暗い道、信号待ち、線路や繁華街の騒音まで確認します。また、地方の無人駅より、利用者がいて生活施設へつながる駅かどうかを重視します。
現地の歩きやすさだけでなく、水害・土砂災害・地震などは家を買う前に見るべきハザードマップ5種類で確認します。災害リスクは入居募集、保険料、修繕、将来の売却にも影響します。
4. RC一棟なら、私はエレベーターなしを好む
RC一棟マンションでは、私は低層でエレベーターのない物件を優先します。
理由は、エレベーターがあると保守点検、法定検査、故障対応、更新といった固定費・将来費用が増えるからです。家賃へ十分反映できない物件では、設備が立派でも手残りを圧迫します。
ただし、これは「エレベーターなしが常に正解」という意味ではありません。階数が高い、ファミリーや高齢者が多い、荷物の搬入が多い物件では、エレベーターがないこと自体が空室理由になります。
私が狙いたいのは、低層・駅近・エレベーターなしでも入居者が不便を感じにくいRC一棟です。設備を減らして維持費を抑えながら、立地で入居需要を確保する考え方です。
現物不動産で家賃収入を作る6種類
1. 中古戸建て賃貸|自己資金が少なめの人の入口
中古戸建てを購入し、修繕してファミリーなどへ貸す方法です。地方や郊外には価格の低い物件もあり、一棟アパートより小さな規模から始められます。
向いている人
- 自己資金がまだ多くない
- リフォームや現地確認に手間をかけられる
- まず1戸で賃貸経営を経験したい
- 地元や土地勘のあるエリアで探せる
選ばれやすい場所
駐車場を確保しやすく、スーパー、学校、病院、職場への移動に困らない郊外・地方都市です。単純な人口だけでなく、その地域で戸建てを借りたい世帯がいるかを見ます。
主な注意点
- 一度空室になると家賃収入がゼロになる
- 雨漏り、傾き、シロアリ、配管などの修繕が一気に出る
- 再建築不可、接道、境界、違法増築を確認する必要がある
- 安い物件ほど売却しにくい場合がある
資金が少ない人に戸建てをすすめるのは、簡単だからではありません。失敗の規模を比較的小さく抑えながら、仕入れ・修繕・募集・管理・売却の一連を学びやすいからです。
安い戸建てを探すときも、安さには必ず理由があります。空室、相続、住みながらの売却など、価格差が生まれる背景は不動産投資の「価格の歪み」を突く5つのやり方で実例をまとめています。
2. 木造一棟アパート|中程度の資金で家賃の柱を太くする
木造アパートを一棟購入し、複数の部屋から家賃を得る方法です。一室空いても収入が完全にゼロにならず、戸建てより家賃収入の規模を作りやすくなります。
向いている人
- 戸建てより大きな収入規模を目指したい
- 融資を使って事業を拡大したい
- 複数戸の入退去や修繕を管理できる
- 数百万円単位の突発修繕にも備えられる
選ばれやすい場所
駅、大学、工場、病院、主要な勤務先の周辺など、入居者像を説明できる地域です。特に一棟物件は、私は駅近を優先します。「駅徒歩○分」だけでなく、単身者向けかファミリー向けか、競合物件の空室と家賃まで確認します。
主な注意点
- 外壁、屋根、階段、給排水設備など一棟全体の修繕が必要
- 家賃下落と空室が同時に起きることがある
- 融資期間が短いと、黒字でも手元資金が残りにくい
- 表面利回りだけでは税金、管理費、修繕費を見落とす
私なら、資金が中程度あり、融資を使って家賃収入を増やしたい人は、区分を何室も買うより一棟アパートを事業として検討します。
一棟物件を検討するなら、物件選びと同時に融資と購入後の管理まで準備します。融資準備と購入後管理で「続ける力」を作るまで読んでおくと、買える金額と持ち続けられる金額を分けて考えやすくなります。
3. RC一棟マンション|資金力がある人の規模拡大型
RC一棟マンションは、鉄筋コンクリート造の共同住宅を一棟所有する方法です。木造より大規模になりやすく、戸数と家賃収入を増やせます。
向いている人
- 十分な自己資金と金融機関からの信用がある
- 大規模修繕へ備えられる
- 長期間保有しながら経営できる
- 管理会社、金融機関、修繕業者をまとめられる
選ばれやすい場所
土地価格と賃貸需要が比較的強い都市部・地方中核都市、または都市へ通いやすいベッドタウンです。特に一棟物件は駅近を優先します。RCだから安心なのではなく、長期にわたり入居需要があり、売却時にも買い手が見込めるかが重要です。
主な注意点
- 取得価格と借入額が大きい
- エレベーター、受水槽、防水、外壁など大規模修繕の金額も大きい
- 金利上昇や家賃下落の影響額が大きい
- 築年数だけでなく、修繕履歴と今後の工事計画が重要
資金があるならRC一棟は強力な選択肢ですが、大きく買えることと、安全に持ち続けられることは別です。購入後に現金を残せない計画は避けます。私なら低層でエレベーターなしを優先し、設備の維持費を抑えられるかも見ます。
4. 区分ワンルームマンション|始めやすさだけで選ばない
マンションの一室を購入し、主に単身者へ貸す方法です。管理会社へ任せやすく、都市部の駅近物件なら入居需要を見込みやすい一方、私は積極的にはすすめていません。
慎重に考える理由
- 一室空けば収入はゼロ
- 管理費と修繕積立金を自分で決められない
- 建物全体の修繕や運営を単独で変えられない
- 新築や販売経費の高い物件は、買った直後から売却価格との差が出やすい
- 低い手出し額だけを見せる営業では、金利・空室・税金・売却損が見えにくい
選ばれやすい場所は、大都市圏の駅近、大学・オフィスへのアクセスがよい場所です。ただし「東京だから安心」ではありません。管理費等を含む実質収支と、中古市場でいくらなら売れるかまで見ます。
区分ワンルームがすべて悪いわけではありません。相場より安く買え、管理状態がよく、出口まで説明できるなら成立します。ただ、少ない資金で始めたいだけなら、戸建てという別の選択肢も比較してから決めるべきです。
5. 区分ファミリーマンション|賃貸と実需売却の両方を見る
2LDKや3LDKなどを購入し、家族世帯へ貸す方法です。ワンルームより入居期間が長くなる可能性があり、空室になれば自分で住みたい人への売却も検討できます。
向いている人
- 学区や生活利便性を判断できる
- 家賃収入だけでなく売却のしやすさも重視する
- 管理組合の資料や長期修繕計画を読める
選ばれやすい場所は、学校、スーパー、病院、公園、交通の利便性がそろう住宅地です。駅距離だけでなく、子育て世帯が暮らし続けやすいかを見ます。
購入価格が高くなりやすく、投資家向け利回りは低めになりがちです。管理費・修繕積立金、大規模修繕、総戸数、滞納状況も確認します。
6. 店舗・事務所|住居とは違う需要と契約を扱う
店舗、事務所、倉庫などを事業者へ貸す方法です。住宅より高い賃料や長期契約を狙える場合がある一方、景気や業種の影響を受けます。
駅前なら飲食・物販、オフィス街なら事務所、幹線道路沿いなら店舗や倉庫など、用途によって選ぶ場所が変わります。退去後の原状回復、設備、消防、用途変更、次のテナント探しまで考えられる人向けです。
土地・空間を運営する4種類
7. 駐車場経営|土地を持っている人は検討しやすい
月極駐車場やコインパーキングとして土地を貸す方法です。建物を建てないため転用しやすい一方、土地から購入すると利回りが合いにくいケースもあります。
向いているのは、すでに遊休地を持っている人や、将来の建築まで暫定利用したい人です。住宅地、駅、病院、商業施設、オフィスの近くでも、時間帯によって需要が異なります。
舗装、精算機、照明、看板、税金、管理委託料を含めて判断します。「空いている土地だから駐車場」ではなく、周辺料金と稼働率の調査が必要です。
すでに自宅や所有地に空きスペースがあるなら、いきなり月極駐車場を造成する前に、駐車場シェアへ登録できるか確認する方法もあります。特Pで貸し出せる駐車場の条件を確認する
具体的な仕組み、向く場所、注意点は、一軒家の余った駐車場が資産になる?初心者にも始めやすい駐車場貸しで詳しくまとめています。
8. トランクルーム|住宅密集地の収納需要を取る
コンテナや建物内の区画を収納スペースとして貸す事業です。荷物が多い住宅密集地、マンションが多い地域、幹線道路沿いなどで検討されます。
住居より管理負担が小さく見えますが、土地・建物の用途規制、防犯、湿気、集客、競合との価格競争があります。新規開設前に法令と自治体の扱いを確認します。
9. レンタルスペース|不動産より集客業に近い
会議室、撮影スタジオ、パーティールーム、サロンなどを時間単位で貸す方法です。物件を購入せず、転貸許可のある賃貸物件で始めるケースもあります。
初期費用を抑えられる一方、予約サイトの運用、清掃、レビュー、近隣対応、価格調整が必要です。駅近・オフィス街・繁華街など、目的に合う場所を選びます。
これは家賃を待つ投資ではなく、場所を使ったサービス業です。集客や改善を楽しめる人に向きます。
10. 民泊|不動産投資というより宿泊事業
住宅や部屋を旅行者などへ短期で貸す方法です。観光地や都市部で高い売上を狙える可能性がある一方、稼働率の変動、清掃、問い合わせ、騒音対策が必要です。
住宅宿泊事業法、旅館業法、特区民泊、自治体の条例、管理規約などの確認が欠かせません。普通賃貸より手離れが悪く、宿泊業として運営できる人向けです。
少額で不動産に関わる2種類
11. 不動産クラウドファンディング|小口で案件に出資する
複数の投資家から資金を集め、事業者が不動産を売買・賃貸して、その収益を分配する仕組みです。国土交通省によると、不動産特定共同事業を行うには原則として許可が必要で、電子取引を行う事業者には体制整備も求められます。
自分で入居者対応や修繕をしなくてよく、1万円程度から募集される商品もあります。ただし、元本保証ではありません。途中解約しにくい商品、事業者や案件に資金が集中する商品、工事や売却が計画どおり進まない商品もあります。
利用前には、国土交通省の許可・登録事業者一覧と契約前書面を確認してください。
私はこれを戸建てや一棟物件と同じ「不動産賃貸業」とは考えません。少額で不動産案件へ参加する別の関わり方です。
12. J-REIT・不動産ETF|証券市場から不動産へ投資する
J-REITは、投資家から集めた資金で複数の不動産を保有し、賃料収入や売却益などを投資家へ分配する仕組みです。不動産ETFは、複数のJ-REITなどで構成される指数への連動を目指す上場投資信託です。
証券口座から売買でき、現物不動産より少額で分散しやすく、換金しやすいのが特徴です。一方で、市場価格は金利、景気、災害、物件稼働率などで変動し、元本保証ではありません。
金融庁の投資学習ページでも、J-REITの仕組みやリスクを解説する情報が案内されています。
これも大家業ではありません。物件を自分で選び、融資を受け、入居者へ貸す経験は得られませんが、手間を抑えて不動産市場へ関わりたい人には選択肢になります。
本気で不動産投資を極めたいなら、不動産業界に入るのが早い

ここも私の独断と偏見ですが、本当に不動産投資を極めたいなら、不動産業界へ入るのが一番早いと考えています。
理由は、知識だけでなく商流の内側へ入れるからです。
不動産は、ポータルサイトへ掲載された瞬間に初めて売り出されるわけではありません。売主から相談を受けた仲介会社が、まず社内、付き合いのある買取業者、過去に購入した顧客、すぐ判断できる投資家へ話を持っていき、そこで決まれば一般公開されないことがあります。
よく「良い物件は業者が囲い込む」と言われます。ここでいう囲い込みは、売主の意向に反して他社へ紹介しない行為だけを指すのではなく、商流上、公開前に既存のネットワーク内で買い手が決まるという広い意味です。すべての不動産会社が良い物件を不当に隠している、という話ではありません。
業界に入ると、次の経験を日常的に積めます。
- 売却相談から販売まで、物件情報が流れる順番を知る
- 業者がどこを見て買取価格を決めるか学ぶ
- 融資、契約、管理、修繕、客付けの実務に触れる
- 地域の家賃相場と、売れる価格の感覚が身につく
- 仲介会社、管理会社、金融機関、工事業者との関係を作れる
ただし、不動産会社へ転職すれば、自動的に安くて良い物件を買えるわけではありません。会社の情報を私的に利用してよいわけでもなく、副業・競業・顧客情報の扱いは勤務先の規定に従う必要があります。それでも、外から本や動画だけで学ぶより、物件が動く現場を仕事として見る経験は圧倒的に濃くなります。
不動産業界へ転職しなくても、商流へ近づく方法はある
もちろん、転職しない方法もあります。
- 実際に物件を複数購入し、買う人だと理解してもらう
- 同じ仲介会社や担当者と継続して取引する
- 自己資金を増やし、融資承認を早く取れる状態にする
- 欲しい物件条件を具体的に伝え、定期的に営業する
- 現地確認と購入判断を早くし、紹介しても無駄にならない客になる
不動産会社が先に連絡したいのは、「興味があります」と言う人より、条件が合えば本当に買えて、判断と手続きが早い人です。信頼関係は、一度名刺交換しただけではできません。
それができないなら、転職が手っ取り早い
何件も購入して実績を作る資金がない。毎週のように業者へ連絡する時間もない。それでも、良い物件がどのように動くのか本気で学びたい。
それなら、私は不動産業界へ転職して、仕事として商流を経験することをすすめます。売買仲介、買取再販、賃貸管理、収益不動産の営業では学べる内容が違うため、自分が伸ばしたい分野から職種を選びます。
不動産業界に特化した求人や、自分の経験を活かせる職種を確認したい人は、まず無料相談で現在の選択肢を聞いてみると早いです。
宅建Jobエージェントで不動産業界の求人を確認する
※転職を急ぐ必要はありません。求人内容、仕事内容、給与、勤務時間、副業・競業規定を確認し、今の仕事と比較してから判断してください。
自己資金別に選ぶなら、私はこう考える
自己資金が少なめ:中古戸建てから学ぶ
数十万円だけで無理に購入するのではなく、物件取得後も修繕・空室へ対応できる現金を残します。土地勘のある地域で、雨漏り、傾き、接道、再建築、賃貸需要を確認できる戸建てから始めるのが分かりやすいです。
自己資金が中程度:木造一棟アパートを検討
複数戸で空室リスクを分散し、家賃収入の柱を太くしたい段階です。ただし、頭金を全部入れて現金がなくなる買い方は避けます。融資返済後にいくら残るか、大規模修繕を払えるかまで見ます。
自己資金と融資余力が十分:RC一棟へ
戸数と資産規模を大きくできますが、修繕費、借入、金利変動の影響も大きくなります。買える上限ではなく、悪い状況でも持ち続けられる金額から逆算します。
まだ経営したくない:クラウドファンディングやJ-REIT
まず少額で不動産へ関わってみたい人には選択肢です。ただし、戸建てや一棟物件を買う練習になるわけではありません。現物不動産と金融商品を混同せず、目的を分けて考えます。
物件種別を決める前の7つの質問
次の質問に答えると、自分に合う種類が見えやすくなります。
- 購入後も残せる自己資金はいくらか
- 金融機関からどの程度の融資を受けられそうか
- 月に何時間まで管理や物件探しへ使えるか
- 空室や大規模修繕へ耐えられるか
- 土地勘や賃貸需要を説明できる地域があるか
- 毎月の収入と将来の売却、どちらを重視するか
- 自分で経営したいのか、金融商品として保有したいのか
- 県と市区町村の人口流入が数年続いているか
- 一棟物件なら、駅近または駅に代わる強い需要があるか
- 商流を学ぶために、業者との関係づくりや業界経験へ時間を使えるか
不動産は、買って終わりではありません。国土交通省が案内する賃貸住宅管理業の制度があるように、入居者募集、契約、建物の維持保全、家賃管理など、購入後も業務が続きます。管理会社へ委託しても、最終的な経営判断は所有者に残ります。
購入後の収益を守る具体策は、空室対策・バリューアップ・リフォームで選ばれる部屋にするで詳しく解説しています。
まとめ:まず資金、次に手間、最後に物件を選ぶ
私が考える基本ルートは、戸建て → 木造一棟アパート → RC一棟マンションです。
もちろん、全員がこの順番で進む必要はありません。最初から一棟を買える人もいれば、戸建てを複数増やす人もいます。大切なのは、営業担当者にすすめられた商品から考えるのではなく、自分の資金・時間・得意分野から投資方法を選ぶことです。
特に区分ワンルームは、「少額で始められる」「管理が楽」という説明だけで決めず、管理費、修繕積立金、金利、空室、売却価格を入れた実質収支で判断してください。
次は、気になる種類を一つ選び、同じ地域の物件を10件並べてみましょう。価格、家賃、築年数、駅距離、管理費、修繕履歴を比べるだけでも、広告の利回りとは違う現実が見えてきます。
物件を買う前から売却まで考えたい人は、税金・出口戦略・資産拡大まで考えて買うも続けてどうぞ。
※不動産投資には、空室、家賃下落、修繕、金利上昇、災害、価格下落、換金できないリスクがあります。融資・契約・税金は金融機関、宅地建物取引士、税理士などへ確認し、余裕を持った計画で判断してください。


コメント